ごんです。
20代後半で独身、チャレンジ精神に溢れていた時期に、私は2度目の転職で外資系企業へと移りました。新卒以来、内資系企業でしか働いた経験がなかったにも関わらず、若さと夢に駆られて外資系の門を叩きました。
外資系企業に対しては、憧れを持っている人も多くいると思います。
実際には、外資系企業は「人の流動性が高い」ため、転職がしやすいという可能性があります(選考に合格しやすいという意味で)。
私の場合、入社前に外資系企業についてもっと知識を深めておくべきだったと感じる点がいくつかあります。この記事を通じて、実際に3ヵ月間、働いてみて得た9つの教訓を皆さんに共有したいと思います。
目次
外資系企業とは
外資系企業は、外国法人または外国人が一定の出資を行っている日本の企業を指します。略して「外資系」と呼ばれることが一般的です。
重要なのは、外資系企業であっても、日本法人として設立され、日本の法律に従う必要があるということです。
つまり、雇用契約は海外の本社ではなく、日本法人と結ぶことになります。
さらに、本社がどこの国にあるかによって、同じ外資系企業であってもその性質や文化、働き方には違いがあります。そのため、転職を考える際には、本社がある国も重要な検討事項となります。
私自身、アメリカに本社を持つ企業に入社しましたが、他にもアジアやヨーロッパを拠点とする様々な外資系企業が日本で活動しています。
海外でのキャリア構築を考えるなら
海外で働いてみたいからと外資系企業への転職を考えている方は注意してください。
海外で働きたい、実際に働くのであれば、外資系企業よりも日本の企業でグローバル展開に力を入れている企業、その中でもよりチャンスが多いであろう大手企業への転職をおすすめします。
日本人が外資系企業の日本法人に入って海外で働く場合、本国の社員と対等にコミュニケーションが取れる英語力は当然で、それ以外にも高いビジネススキルと経験が必要です。それなら、本国に行き、現地採用を狙う方が近道だと思いますが、それも難易度は高いでしょう。
ただし、たまに海外出張があるくらいで丁度良いとか、英語を使って仕事をしたいのであれば外資系企業は候補に入ります。実際、私自身も短い在籍期間ながら、ベトナムに出張することが出来ましたが、英語は入社した当日から使いました。
外資系企業で働いて学んだ9つ教訓
私が実際に外資系企業に転職して、そこで学んだことを9つにまとめました。
これらの教訓は、外資系企業で働く際に注意すべきポイントです。外資系企業への転職を検討する際には、ぜひ参考にしてください。
皆さんは、私のように転職に失敗し、キャリアや職歴に傷が付かないようにしてください。
教訓①:人の流動性が高いこと
外資系企業は人の流動性が高いです。
入れ替わりが激しく、積極的な採用が行われています。なので、一部の外資系企業を除いては入社難易度は高くないと言えると思います。私が入社した企業でも、会社全体では毎月のように新しいメンバーが加わり、同時に誰かが退職するのが当たり前でした。
外資系企業では、退職しようとする者に対して引き留めることはなく、「去る者追わず」の姿勢があるように感じます。日本の会社と比べて、海外では個人のキャリアや仕事の選択を尊重する文化が根付いているためだと思います。
一度、外資系企業を経験した人は、別の外資系企業(同業他社)への転職が多く、同じ業界内を転々とする人も多くいます。
教訓②:役割や肩書きの重要性
外資系企業では、個人の役割や責任が明確に決められます。それに基づいて仕事を行いますので、自分の仕事か、他人の仕事かがハッキリしています。
経験や実績に関係なく、入社時から立派な肩書きがついて、名刺にも書かれます。私自身も経験が浅いながら、「○○○○スペシャリスト」として仕事をしていました。
日本の会社では役職(主任、係長、課長など)を示すことはあっても、自分の役割を明確にしたりすることは少ないと思います。
立派な肩書きがあると、それに恥じぬように自覚して仕事にあたることができ、責任も感じますし、自己成長を後押ししてくれるとは感じます。
教訓③:入社後のフォローは期待できない
外資系企業に入社をすると、だいたい入社日がオリエンテーションで、翌日から部署に配属となります。
残念ながら入社後の丁寧なフォローや教育体制があまり整っていないと思います。未経験者であっても同じです。
それは文化の違いであって、日本の企業のように自社でじっくり育てていこうという考えが無く、未経験者であっても即戦力扱いを受けます。なので、新しい環境に自ら適応し、積極的に学ぶ姿勢というのが強く求められます。
私の場合も、最初の数週間は上司や同僚からのサポートを受けながら仕事を覚えましたが、すぐに独り立ちさせられ、以降の基本的な業務スキルの向上は、自己学習に依存していました。
上司や先輩から手厚いフォローを望んでいる受動的なマインドの人は外資系企業に転職せず、日本の企業を選ぶことをおすすめします。
教訓④: 雇用の不安定性と突然のリストラリスク
外資系企業というのは、実は雇用の不安定性と突然のリストラリスクが現実として存在します。
外資系企業に転職するなら覚悟しておくべき事であり、私は最終面接の際に面接官からこの現実を伝えられました。それは、個人レベルということではなく、組織レベルの話であり、自分自身の努力だけではどうにもならないし、コントロールもできません。外資系企業では、不採算部門は容赦なく日本から撤退したり、他社に事業や権利を売り飛ばします。
実際、私が入社した直後にも別の事業部ですが、部署が急に消滅して、他社に売却されました。
安定感を求めるなら外資系企業では無く、日本の企業です。日本の企業であれば、突然のリストラも回避できますし、他社に転籍させられるリスクは小さく、同じ企業内の配置転換によって雇用だけは守ろうとしてくれます。
もし、外資系企業に転職するのであれば、そうなる未来も頭の片隅に入れ、自らの市場価値を高め、不安定な状況になっても対応できるように準備しておく必要があります。
教訓⑤: チームプレイよりも個人プレイ
外資系企業で働いて感じたのは「個人商店」であるということです。
チームで仕事を成し遂げようとするよりも、個人の業績や成果を高めていこうという気概を持った人が多くいました。
成果を出す際にも個人の裁量が重視されます。外資系企業は、個人の自主性が尊重され、チームのために個人があるのではなく、個人の業績目標を達成するためにチームがある印象でした。
そのため、外資系企業では他者から独立して、主体的に行動する姿勢が求められます。それでも会社なので、他者と協力することも当然ありますが、個人の裁量で仕事を進め、成果を出すことが評価される環境です。
教訓⑥: 完全な成果主義
外資系企業での評価は、成果主義に基づいています。
成果に応じて支給される特別な賞与、「インセンティブ」が一般的であり、目標を達成すれば業績に応じた報酬が期待できます。
しかし、外資系企業で成果を出し続けるというのも簡単では無く、皆が皆、高い報酬を受け取っているわけでは無いのが現実です。逆に言えば、外資系企業は成果を出せない人には厳しいです。
だから、このインセンティブをモチベーションとしている社員が多くいるので、他人を蹴落としてまで上にのし上がろうとする強い気概が無いと続かない恐れもあります。
教訓⑦: 自由で多様な考えを尊重
外資系企業では、多様な文化や考え方が尊重され、個々の意見が重要視されます。
日本で事業を展開する外資系企業のほとんどが、グローバルで、多様性に富んだ大企業が多いので、日本に多くある伝統的な日本の企業と比べて、自由で柔軟な発想が奨励されます。
働き方も多様です。オフィスに行くと、個性が強い人が多く、それぞれが自分のスタイルを貫いているような印象を受けました。
教訓⑧: 出世には限界がある
外資系企業の日本法人の経営層というのは、その多くが本国からの出向者で占められています。
日本人であっても出世できる可能性はありますが、本国出身者との競争に勝たなければならず、発言力を持ち、自己主張できるセンスのある人でないと難しいと感じます。
日本の企業と違って、出世もある程度のところでストップするのであれば、未来が見えづらいと考える人もいると思います。
教訓⑨: 英語は抵抗がないこと
最後に英語力について触れておきます。
外資系企業では、当然英語のスキルを求められますが、全員がビジネスレベルの英語が必要かと言うと、実際はそうではありません。
ただし、出世やキャリアアップを目指すならばビジネスレベルの英語力が必要です。
バックオフィスのスタッフのなかには英語が全く話せない人もいます。外資系企業と言えど、日本の企業であり、ビジネスの相手は大抵は日本人なので、英語よりも流暢な日本語が話せることが最重要なわけです。
だから、入社時の英語力よりも、英語に対する学習意欲であったり、そもそも英語に対して抵抗がないことが重視されます。
私も英語力に自信があったわけではないですが、英語を使ってメールでやり取りできる力があれば臆することはないと思います。最近は生成AIなど、テクノロジーも進歩しているので、以前よりも障壁にならないと感じます。
最後に
いかがでしたか。
外資系企業への転職に限らずですが、重要なことは「転職目的をはっきりさせること」だと思います。
外資系企業への転職は魅力的な要素がたくさんありますが、自分の目的や志向を明確にし、冷静に検討することが大切です。
ミスマッチを防ぐためにも、転職目的をしっかりと考え抜いてみてください。成功をお祈りしています!