ごん(@career_gon)です。
転職面接の終盤には、必ずと言っていいほど『逆質問の時間』が用意されています。
逆質問も選考です。面接を受ける前に面接官に聞きたいことを一つ、二つは用意してから面接本番に臨む必要があります。
面接本番で『何もありません!』は面接官に対しても失礼ですし、客観的に見ても質問が無いはずがありません。会社ホームページ、採用コンテンツ、プレスリリースなどの情報元だけでは、企業研究にも限界があります。
実際に、その会社で働いている人にしか分からないような情報を逆質問の時間を使ってうまく引き出しましょう。
この記事では、これまで4回の転職を経験した僕が思わず面接官に『いい質問ですね』と唸らせる逆質問の作り方のコツを解説しています。
それでは、いきましょう!
目次
逆質問は対策が必要!注意点は?
冒頭で書いたように、面接対策に逆質問もあらかじめ含め、考慮しておく必要があります。
その場で思いついた質問で勝負しない
面接本番で聞かれることが分かっているのに、逆質問の対策を何もしないのは大問題です。
ろくな準備もせず、その場で咄嗟に思いついた質問でやり過ごそうとしても失敗するかもしれません。その場で考えた質問は内容が吟味されてなく、聞きたい内容次第ではこれまでの面接の評価を大きく下げてしまうリスクがあります。
しかし、面接本番に面接官とのやり取りで得られた情報について追加で質問することは何ら問題ありません。むしろ面接官の話をよく聞いていることをアピールすることができ、評価を上げられると思います。
結論としては、面接で『何か質問はありますか?』と聞かれたら、『この時を待ってました!』と言わんばかりに用意しておいた質問をすればいいと思います。
逆質問は諸刃の剣
しかし、前もって準備をした逆質問が全て評価されるわけではありません。
逆質問というのは、まさに『諸刃の剣』です。
逆質問の時間というのも限られています。面接の残り時間が与えられた時間です。
従って、一つまた二つくらいの質問をする時間しか無いと思います。当然、時間が許されるのであれば、沢山聞きたいこともあると思いますが、このような事情から聞くべき質問をある程度厳選する必要があります。
用意周到な面接対策や企業研究が出来ていれば、質問の質も上がると思います。その結果、評価をさらに上げられます。ただし、あらかじめ準備をしていた質問でも『そんなこと聞いて何になる?』と的外れなことを聞いてしまえば、逆に評価を下げてしまいます。
逆質問の注意点
面接官側の意図
面接官側の意図としては、一方的に質問をするだけでなく、候補者側からも質問をしてもらうことで、候補者が何に関心があり、新しい仕事をどのように捉えているかが分かります。
だから、お互いの理解を深められるのでミスマッチを防ぐ働きがあると思います。
ミース・ファン・デル・ローエというドイツの建築家の「神はディテールに宿る」という言葉のように、候補者がどんな質問をしてくるかで、『面接本番までにどの程度関心を持って調べてくれたか』、『仕事に対してどの程度興味を持っているか』、『会社への志望度は高くて入社する覚悟はあるか』などが分かるということです。
数よりも質を意識して
逆質問は「数」よりも「質」で勝負してください。
最低一つ、目安として三つほど準備出来ていれば十分です。仮に質問が一つだったとしても、それが企業研究によって考え抜かれた渾身の質問で、的を射る内容であるならば、誰でも思いつくような質問を沢山するよりも評価が高いということです。
実際、面接本番ではTPO(Time、Place、Occasionのこと)についても考慮しなければいけません。質問を三つ用意していたとしても、残り時間が少なければ質問の数を調整するしかありません。
例えば、『まだまだ聞き足りないですが、時間のため私からの質問を以上とさせて頂きます。残りの質問について、後ほど、メールでご連絡を差し上げてもよろしいでしょうか?』とフォロー出来れば良いです。
逆質問は、TPOを弁え、相手の反応を見ながら、絶妙な加減で質問の数を調整することが求められます。
具体的な逆質問の作り方
それでは、実際の逆質問の作り方です。考え方はとてもシンプルです。
まず、質問を思いつくだけ考えます。後はそれぞれに優先順位を降って、質問を絞り込んでいくのです。
ステップ1:質問を考える
ステップ1では、質問を思いつくまで、なるべく数多く挙げていくことがポイントです。
もう出尽くしたと思っても、別の切り口で質問を考えてみると意外と見つかります。
考えるコツですが、「こんな質問したらダメかな?」と思う質問でも、最初の段階ではとりあえず挙げていくことです。
聞きづらい年収のことや残業のことも質問を考えてみましょう。
次の点を考慮に入れて質問を作ると良いかもしれません。
- 面接官から聞き出したいリアルなことを引き出す質問(従業員にしか分からないことを聞く質問)
- 自分で考えた「こうなんじゃないか」という仮説や「自分ならこうするけど」という意見に絡めて、それらに対する面接官の意見を引き出す質問(仮説は正しいかを確認する質問)
- 企業や職種の弱みを的確に捉えた質問(ビジネス視点での質問)
一度、質問ができあがっても、何度も何度も練り直してみましょう。例えば、類似の質問があれば質問同士を組み合わせて1つの質問にすることも有効です。
すぐに調べて分かるような質問は避けるべきです。
ステップ2:優先順位をつける
ステップ2では、いよいよ挙がった質問に優先順位をつけていく作業です。
この時に考慮したい4つのポイントを紹介します。
ポイント①:質問の裏にある背景と意図を考える
面接官は、候補者がした質問について「何故、その質問をしたか?」という背景と「その質問で何を確認したかったか?」という意図を質問に答えながら考えています。
だから、「そんなこと聞いて何のためになる?」と質問をされた側が困ってしまうような質問はふさわしくありません。
質問の裏には背景と意図があるということを忘れないようにします。
ポイント②:面接本番で聞くべき内容であるかを考える
質問は何も面接本番で必ず聞かないといけないわけではありません。
転職エージェントを利用しているのであれば、聞きづらいことでも気楽にエージェントを介して質問することもできます(難しい質問も当然ありますが)。
また、せっかく逆質問で企業の面接官を相手に直接、質問ができるのに「Yes」か「No」で答えられるような質問は勿体ないです。
一次面接であればホームページに載らないような現場(配属先)の声や意見を聞き出すような質問を、最終面接であればその企業や職種について経営する側の立場だから分かる意見を聞き出すような質問がよいかと思います。
面接本番で聞かなくてもいいような質問、つまり面接後や内定が出た後にメールでも聞き出せそうな質問は面接本番にあえてする必要もありません。
他に聞くことが無いようならば面接本番で聞いてみてもいいと思いますが、他に質問があるようならば優先順位を下げておきましょう。
ポイント③:入社意欲をアピールできるか
どのような質問をするか、その内容を聞けば候補者がどれだけその企業について調べてきたかがよく分かります。
逆質問の質問を通じて、その企業や職種に対する熱意から入社意欲の高さをアピールすることも有効です。
入社意欲の高さが感じられる質問は積極的にすべきだと思います。
ただし、志望度や入社意欲をアピールしたいからと「御社のことこれだけ調べてきましたよ!」と知識をひけらかす場面ではありませんので、そうはならないよう注意も必要です。
ポイント④:ネガティブな質問は避ける
ネガティブな質問は避けるべきです。
どのような質問がネガティブかと言うと、例えば「ジョブローテーションはありますか?」や「部署異動はありますか?」という質問です。働く側としてはどちらも気にはなりますが、これらの質問は企業に勤めていれば「珍しいことではない」ことが普通です。
それに、企業からの答えは「Yes」か「No」になるだけですし、もしも「Yes」であった場合はその企業を転職先の候補から外すくらい「ジョブローテーションが企業選びの軸であるか」ということが問われています。
この事例のように「企業選びにおいて重要ではない」のであれば、 逆質問としてはふさわしくないと感じます。他にもっと聞くべき重要な質問があるはずです。
ジョブローテションがあると「仕事をするのが嫌になってしまうのか?」、「ずっと好きな仕事だけがしたい人なのか?」と自分にはそんなつもりがなくてもネガティブに映ってしまいます。
他にも色々な質問があるとは思いますが、少しでもネガティブに感じられる質問も積極的には選ばない方が無難です。
ステップ3:質問を絞り込む
ステップ3では、優先順位をつけた中から最終的に2~3つ程度に絞り込みます。
実際の面接でいくつ質問するかについては、面接での状況や面接官の反応や感触を見て決めればいいと思います。
質問を絞り込んだら、転職エージェントを利用している人は担当のコンサルタントにも見てもらいましょう。転職サイト経由の場合は、自分以外の第三者(同僚などは避ける)へ見てもらって意見を聞いてみます。
他者の意見を聞くことはとても重要で、必要に応じて質問内容を再考したり、もっと良くなるよう改善を加えていきます。
面接本番での注意点
面接官に逆質問する前に「質問は〇つあります」と先に面接官へ伝えることです。
結論を先に伝えることが大切で、相手も「何個の質問があるか」が分かると余裕が生まれます。
逆に、これからいくつの質問をされるか分からないと、面接官もいつまで続くか分からないのですっきりとしません。
時間も限られているので、そういう一つ一つの心配りが評価を得ていくのです。
メモやノートを見てもOK
意外かもしれません。
面接本番の逆質問の時間になればメモやノートを見ても問題ありません。
私自身、これまで経験した面接全てで実践していますが、断られた企業も無ければ、それ自体で不利になったことは一度もありません。
メモを見ることの狙いは2つ
メモを見るという行為には2つの狙いがあります。
- 質問を覚えるという余計な手間を省くこと
- 質問に対する企業からの回答を忘れずにメモをするため
それぞれについて解説していきます。
余計なことは覚えなくていい
面接前はただでさえ緊張しています。
それなのに、逆質問の質問を覚えるとなれば、例えば自己紹介で言おうとしていたことが飛んでしまって、頭の中が真っ白になってしまうかもしれません。
それはリスクでしかありません。
質問については全く覚える必要はないので、メモに書いて鞄へ入れておきます。
そして、逆質問の時間になって「何か質問はありますか?」と尋ねられたら「メモを取り出しても良いでしょうか?」と一言断ってからスマートにメモとボールペンを取り出しましょう。この時、慌ててしまい、もたついてしまうと逆効果です。
面接前の準備として、メモと筆記具は鞄の中でも最も取り出しやすい場所に置くようにします。
質問の答えをメモすること
逆質問の結果、引き出すことが出来た答えは忘れないうちにメモを取りたいですよね。
そもそも本気でその仕事へ就きたいから、疑問も生まれます。そして、その仕事への熱意や情熱、入社への覚悟があるから、忘れないうちにメモもしたいはずです。
だから、気にせず、企業から聞き出せたことはその場でメモを取りましょう。
企業側へ入社意欲をアピールする効果もあります。他にも、面接官の話をよく聞こうと集中力の高さもアピールすることが出来ます。
このテクニックは本当におすすめです。
最後に
いかがでしたか。
逆質問の作り方と注意点について解説しました。
逆質問の対策は面接日当日まで行いましょう。
記憶に頼らず、メモを活用するテクニックは是非真似してみてください。
面接官から回答はその場で持っているメモに書き込み、後で読み返せるようにしましょう。