26歳で初めての転職を経験しました。
新卒では、従業員数2500人以上、売上高3000億円超の大手メーカーに入社しました。大手企業に勤務しているという社会的なステータスもありましたが、それも捨て、自分自身の経験を鍛えるためにベンチャー企業への転職を決意しました。
この記事では、ベンチャー企業やスタートアップでの就職や転職におけるメリットとデメリットについて、私の経験をもとに率直に共有していきます。
ベンチャー企業やスタートアップでのキャリアに興味がある方にとって、新しい気付きとワクワク感を味わってもらえたら幸いです。
この記事を読むとわかること
- ベンチャー転職のメリット:自分自身のキャリアを高められる理由。
- ベンチャー転職のデメリット:入社を決める前に覚悟や検討すべき課題。
- 転職を検討する際のポイント:企業を選ぶ際に考慮すべき基準。
目次
ベンチャー転職のメリット
1. 成長機会が多い
ベンチャー企業やスタートアップは、まだ成長の途中であり、大手企業には無い魅力的な成長機会が広がっています。
大手企業の場合では、同期や先輩・後輩など、自分と同世代の社員も多く在籍しており、その中でチャンスを掴むのは簡単なことではありません。一方、少数精鋭のベンチャー企業やスタートアップでは、性別、学歴、年齢、経験などに関係なく、チャレンジしたい意欲的な社員には平等にチャンスが与えられます。
私自身も入社からわずか1年で、2週間アメリカに出張させてもらいました。
大手企業では数年のキャリアを積んだとしても、あるかどうか分からないようなチャンスです。それをたったの1年で経験させてもらいました。
繰り返しますが、成長への意欲と行動力があれば、若手社員でも責任のある仕事を任せてもらえます。その結果として、多くの成長を実感できると思います。
2. 多様な業務経験
大手企業では通常、部署ごとに業務が分業化され、それぞれの専門分野で働くことが一般的です。
これにより、業務効率が向上し、特定の業務に専念できる一方で、他の部署や業務内容についてはあまり知識が深まりません。
しかし、ベンチャー企業やスタートアップでは、人員が限られているため、1人1人が多くの業務に携わる必要があります。
部署間の垣根も低く、様々な業務に触れる機会が増えます。そのため、最初は幅広い業務に驚くかもしれませんが、仕事に対する視野や見識も広がり、結果的には非常に価値のある経験となると思います。
3. 自由な環境での高い裁量権
ベンチャー企業やスタートアップは、組織がコンパクトで、上司や経営陣との距離が近いです。社長であっても同じです。この特徴は自分自身の業務において高い裁量権を与えることにつながります。
例えば、自分の仕事で何か問題に直面した場合でも、気軽に相談しながら、自分なりの解決策を見つけ出すことが出来ます。このような自由な環境が成長スピードを加速させ、達成感や満足感をもたらす要因になります。
もちろん、高い裁量権を持つことで、責任も伴いますし、プレッシャーや期待を感じることもあるかもしれません。しかし、このプレッシャーや期待も、自分自身の成長をさらに後押しし、新たなスキルや経験を鍛えるチャンスにつながります。
もしも、大手企業でのんびり時間を過ごしてきた人が、ベンチャー企業やスタートアップに転職すると、時間の進む早さに驚くと思います。たった1年でも、2~3年相当の濃い時間を過ごすことができ、自分の成長をより強く実感すると思います。
4. シェアオプションと株式報酬
お金についても考えておくべきです。
私が所属したベンチャー企業は、入社する少し前に株式上場を行いました。例えば、上場記念賞与としてリターンを受け取ることがあります。さらに、企業の設立当時から一員として成長を支えてきた同僚たちは、株式の割り当てを受けていて、上場に伴い、そのリターンを受け取ったようでした。
お金が全てではありませんが、シェアオプションと株式という形で受け取り、企業の成長次第で将来的なリターンが期待できることは、モチベーション向上にもつながります。
このような経験は、大手企業ではなかなか得られない貴重なものです。
5. 転職市場でのアドバンテージ
ベンチャー企業やスタートアップでの就業経験は、将来の転職においても非常に有用になると思います。もしも本命の企業が他にあったとしても、数年後に転職を考える場合、この経験は大きなアドバンテージになります。
ベンチャー企業やスタートアップで鍛えたスキル、知識、経験は、他の候補者にはまず無いものです。ベンチャー企業やスタートアップは組織そのものが未熟で、社内の仕組みやプロセスが整備されていない、まさに「ぐちゃぐちゃ」な環境と言えます。その中で、困難に立ち向かいながら、自身の頭で主体的に考え、行動してきた経験やスキルは高く評価されるはずです。
また、新しい分野や技術に対する専門知識を持つことで、転職市場での希少性や市場価値が上がっていき、魅力的な転職先で、魅力的なポジションが見つかる可能性が高まります。
ベンチャー転職のデメリット
1. 経済的リスクと倒産の不安
ベンチャー企業やスタートアップへの転職は、年収が減少する可能性があることを覚悟する必要があります(私も減少しました)。
業務量に対して報酬が見合わない可能性や昇給の少なさ、ボーナスの支給も無いことも多く、小さな不満が重なっていき、やがて不満の大爆発に繋がる可能性があります。
また、大手企業の場合は給与以外の福利厚生もしっかりしていることが多いです。退職金制度や住宅手当、団体生命保険などです。将来会社が成長すれば状況も変わるかもしれませんが、少なくとも立ち上げ直後のベンチャー企業やスタートアップに対して期待してはいけません。さらに、これらの企業の経営状況や財務状況はとても不安定で、経営が行き詰まった場合、最悪なシナリオとしては倒産のリスクがあることも頭の片隅に入れておきましょう。
2. ワークライフバランスの崩れ
ベンチャー企業やスタートアップは通常、少ない人数で多くの業務をこなす必要があり、長時間の残業はもちろん、休日出勤で対応することも可能性としてはあります。
私がベンチャー企業に在籍していた当時は労働に対する規制も今ほど厳しくなかったので、残業や休日出勤をして業務を何とか回していました。当時まだ若かったので、長時間の残業が毎日のように続くと、友人と遊ぶことも出来ず、ただただ辛かったことを覚えています。
プライベートや友人・家族との時間を大切にしたい方にとって、ベンチャー企業やスタートアップという職場環境がワークライフバランスの維持にとって難しいことを覚悟すべきです。
転職を検討する際のポイント
ベンチャー企業やスタートアップでの転職を検討する際に考慮すべきポイントは次の通りです。
是非、参考にしてください。
自身の興味分野と志向性
自分が興味を持つ分野や業界に関連する企業を選びましょう。情熱を持って働くことがモチベーションにつながります。
企業のビジョンとカルチャー
企業のビジョンやカルチャーが自分の価値観と合致するか確認しましょう。共感できる企業で働くことは満足感を高めます。
成長のポテンシャル
入社する企業の成長ポテンシャルを評価し、将来的な成功の可能性を見極めましょう。業界での評判にも耳を傾けてみます。成長が見込める企業であることが必須条件になります。
チームとリーダーシップ
上司や同僚との協力が重要です。また、社長の経営センスや強烈なリーダーシップがあるかどうかも見極めポイントです。
ワークライフバランス
ライフスタイルに合ったワークライフバランスを実現できるかどうかを確認しましょう。自分の趣味や家族・友人との時間を優先する場合は入社する企業を慎重に見極める必要があります。
最後に
いかがでしたか。ベンチャー企業やスタートアップへの転職は、大手企業にいたら経験できないような自分自身を成長させる環境を手に入れることができるかもしれません。ただし、それと同時に経済的なリスクやワークライフバランスの問題も抱えることになります。全てのベンチャー企業やスタートアップが同じ状況とはさすがに言い切れませんが、会社の体力が弱く、資金力が無いという共通した課題がある以上は、どこも似た状況であると想像します。もしも転職するのであれば、自分自身のキャリア目標や価値観が合致していることは外せません。そして、将来的に満足できると思える企業を選ぶようにしましょう。ベンチャー企業やスタートアップはリスクとリターンが高い環境であるため、憧れだけで入社することは絶対にやめましょう!