転職の成功を叶えるためには、しっかりとした段取りが欠かせません。
以前、私は上司から「仕事は段取りで決まる」と耳にたこができるほど聞かされました。
そして、転職活動も同じく「段取り」が鍵となることを経験を通じて学びました。
この記事では、「転職したい」と強く思い、新たな一歩を踏み出そうとしている人が、希望通りの転職を実現するために、是非転職活動を始めた際に取り組んで欲しいポイントを解説しています。
参考になれば幸いです。
目次
転職活動を始める前の4つの事前準備
転職活動を始める前に、大切なのは最初の4つの事前準備です。
- 転職活動について知る:
初めての転職活動なら、まずは転職の基本について理解しましょう。 - 転職スケジュールを立てる:
転職活動は計画的に進めることが大切です。現職の状況に合わせてスケジュールを立て、応募準備や面接の日程の組み立てを行います。 - 転職理由や目的を考える:
転職を考える背景や目的を明確にしましょう。今の仕事から転職する理由や、新しい職場で何を達成したいのかを考えます。 - これまでの仕事の整理をする:
過去の仕事での経験や実績を整理しておくことで、履歴書や面接で自分の強みをアピールしやすくなります。
これらはどれも重要なステップですので、詳しく解説していきます。
事前準備①:転職活動について知る
知ることはリスクの低減になる
転職活動を始める前に、まずは「転職活動」自体について理解することが大切だと思います。転職の流れや全体像がわからないままでは、無理に進めてもうまくいかないかもしれません。
最初にあれこれと小手先のテクニックを知るのではなく、まず転職活動の基本を把握することが必要だと思います。
その方が、よく分からないまま進んで失敗したり、大事なチャンスを逃したりすることも少なくなるため、転職失敗のリスク低減になると思います。
チャンスを逃さないために
転職活動において、一つの求人への応募は基本的に1回限りです。
「ここで働きたい!」と思う求人があっても、そのチャンスは1度しかありません。
実際に転職活動を進めてみるとわかりますが、理想的な求人がいつも転職市場にあるわけではありません。求人情報は流動的であり、企業が募集を開始するタイミングには運の要素が影響するため、理想の求人との出会いが確実なものではありません。
理想の求人と出会ったときに、そのチャンスを逃すことなく飛びつきたいものです。だからこそ、ある程度は転職の基本を把握し、いつでも応募できる体制を作っておくべきです。せっかくのチャンスを逃してしまわないようにしてください。
求人に応募するまでに、焦らず転職活動に関する知識を身につけ、それから応募に進むことが転職成功のポイントだと考えます。
情報に惑わされないように
たとえば、他の人の転職成功事例は参考になりますが、年齢や性別、経験などその他の細かな属性が異なります。そのため、他人の成功をそのまま再現することは難しいことです。
また、転職活動の選考プロセスは面接が基本です。面接は初対面の人同士がコミュニケーションをとり、面接官が候補者を見て合否や採否を判断する方法です。人の判断が入るため、これにおいては絶対的な成功法則というのは存在せず、「100%成功する方法」はありません。
ただ、他の人が実際に経験したことを学び、それを自分の状況に当てはめ、イメージすることで、あたかも自分が経験しているかのように考えることはできます。これによって、情報を活かしつつ自分の判断力を養い、転職活動を進めることが望ましいと思います。
私の初めての転職活動での経験
初めての転職活動では、私も同じような経験をしました。
最初に私は、転職活動のことや、その流れについて何も知らないまま、ただ仕事に不満を感じていたことから、ある転職エージェントに相談に行きました。
そのため、提案された求人情報に対して驚きや戸惑いを感じることがありました。それは提案された求人が悪かったわけではなく、単純に自分の市場価値を過大評価していたからでした。
こうした経験を通じて、成功も失敗も経験しましたが、転職活動の本質を理解していれば、もっとスムーズにかつ戦略的に転職活動を進められたのにと今でも思っています。今は、転職本や転職サイト、そしてこのような転職活動に関するブログが数多く存在します。多様な経験を持つ人々が、個々の視点で転職について情報を提供しています。
これらの情報源を活用して最初に転職活動の本質を理解することをおすすめします。
事前準備②:転職スケジュールを立てる
転職スケジュールの重要性
転職活動を始める際に、転職スケジュールを立てることは非常に重要です。通常、求人への応募から内定が出るまでの期間は1カ月~2カ月程度が一般的です。
そして、内定が出れば条件交渉がうまく進み、内定承諾となります。その後、現職を退職するための準備や業務引継ぎを行い、新しい職場でのキャリアをスタートさせることになります。
そのため、応募から実際の入社までの期間は通常3カ月~4カ月程度を見込んでおくべきです。場合によっては、わずか3カ月で現在の職を離れて新しい職場で働くこともあります。
初めての転職活動を経験する場合、これらのスケジュールを想像することは難しいかもしれませんが、計画的に進めればスピーディーに転職を実現出来ます。
だから、今もし転職を決意したならば、このスケジュール感を受け入れること、その心構えを持つことが大切だと思います。
転職面接で必ず聞かれるポイント
転職スケジュールを計画的に立てる理由の一つは、転職面接で必ず尋ねられるからです。面接官は、「いつから入社可能ですか?」という質問を必ずしてきます。
面接を受ける前に、自身の転職スケジュールを明確に把握しておくことで、この質問に的確に回答できるようになります。しかし、スケジュールをきちんと整理していない場合、回答に詰まってしまう可能性があります。
面接官も求める入社時期を考慮しており、その点を考えて適切なマッチングを行うことが面接の重要な要素です。
転職は「すぐに採用できる即戦力」
企業から見た転職のメリットは、『すぐに採用できる即戦力』であることです。
何故なら、転職者というのは、うまくいけばすぐに仕事に加わることができるからです。
特に、若手の第二新卒の方には、この点を強調したいです。一般に、新卒採用は通常4月がほとんどです。新卒者と同じく若手で、ポテンシャルで評価される第二新卒採用の場合、入社時期を4月まで遅らせること無く、個々のタイミングに合わせて入社してもらえます。
ここで紹介した第二新卒のケースだけでなく、転職というは企業のニーズに合わせて入社時期を調整できること、その柔軟さがあることもメリットになるということです。
ということは、面接で「貴社が求める時期に入社できます」と伝えることは、面接でのマイナス要素を減らし、企業側にとって大きなメリットになります。ただし、このように面接で言ったならば、現職での業務調整を行い、退職のタイミングを遅らせないことです。
スケジュールを明確にしたら集中する
スケジュールを決めないまま転職活動を進めると、だらだらと時間が過ぎたり、行動が遅くなったりすることがあります。
スケジュールを厳密に設定する必要はありませんが、少なくとも「転職する目標時期」くらいは明確に設定し、それに向けて準備を進めることで、集中力を保ち、転職の成功に繋がる可能性が高まると思います。
とはいえ、目標の期限にとらわれすぎて、自分には明らかに合わない企業や、本当に望まない仕事を、無理に選んでしまうことは避けるべきです。立てたスケジュールに従い、集中して転職活動に取り組み、何かあれば柔軟にスケジュールを見直すことも、自分に合った企業選びをすることも重要です。
事前準備③:転職理由や目的を考える
面接官の関心事である
「転職したい」という思いがあっても、実際に他人にその理由を問われると、うまく答えることが難しい場合もあります。
求める企業から内定を得るためには、面接官からの「なぜ転職を考えたのか?」という疑問に対して具体的な回答を用意することが大切です。そして、その理由に対して深堀りされても、一貫性を持って答えることが求められます。
転職活動中の人には、今すぐに転職をせざるを得ない事情を抱えた人もいれば、現職やその会社業績が順調であるにもかかわらず転職を選ぶ人もいます。
求人に応募するということは、そこに必ず理由が存在するはずです。
今の仕事に少なからず不満があるから転職に至ったわけであって、見かけでは分からない、その背後にある理由を面接官は知りたいわけです。
転職の必然性を説明できるようにする
転職活動において、転職理由や目的を明確にすることは非常に重要です。
特に面接において「転職理由」は合否に関わる重要なポイントになります。
繰り返しになりますが、面接官は『なぜ転職を考える必要があるのか』について詳細を知りたがります。したがって、転職理由が曖昧であったり、面接官に理解してもらえず、そこに食い違いがあると、合格が難しくなることがあります。
転職理由を説明する際には、現在の職場や仕事などに対する不満を率直に伝えることも重要ですが、将来における自分のキャリアの目標などのポジティブな要素も取り入れる必要があります。
そして、頭を使ってよく考えた転職理由を面接官に対して説明し、転職の必然性を理解してもらえない限り、次のステップには進めません。それくらい転職活動において転職理由は重要です。
事前準備④:これまでの仕事の整理をする
最後に、これまでの仕事での経験を洗い出し、自分にはどんなスキルや能力があるか、どんなことが得意で、どんなことが不得意か、何をしている時が幸せを感じることができたか、など、これまでの仕事を振り返りながら整理をしていきます。
最終的に、ここでの成果が職務経歴書へ落とし込まれ、企業への応募する際に応募書類として提出され、選考を受けることになります。いきなり職務経歴書でもいいのですが、応募する求人が決まらないと書くことが難しいので、それを書くための材料を考えていく作業となります。
具体的には、これまでに経験した仕事を過去に遡って振り返っていき、時系列に沿って内容をまとめていきます。まずは、次の項目を参考にラフにまとめてみてください。
- その仕事の具体的内容
- その仕事は誰ともしくはどのようなチームで行ったか
- その仕事における自分自身の役割
- その仕事にかかった期間
- その仕事の成果(成功か?失敗か?)
- その仕事から学んだこと
- その仕事で活かすことができた自分自身の強み
- その仕事では他人から評価があったか(実はとても重要)
このような作業を続けていくと、自分自身のことが段々と分かっていくはずですし、この作業そのものが面接対策にもなっていくと思います。
最後に
いかがでしたか。
何でもそうだと思いますが、物事に成功するにも理由があります。入念な準備もそのうちの一つだと思います。
今回紹介したことを是非実践してみてください。