転職がしたいのにも関わらず、仕事が激務だと転職活動をするための時間も作れません。
そんなことならば仕事を辞めてから転職活動をすればいいと、安易に退職してしまうのもよくはありません。
とんでもなくブラックな職場環境で、毎日の帰りが遅いのに朝も早く、土日も出勤や出張のような生活を続けているようならば先に退職することもやむを得ないですが、少しでも空いた時間が作れるようであれば在職しながらの転職活動をすることがやっぱりおすすめです。
転職活動に十分な時間を割けないならば効率重視の転職活動の進め方を考えてみます。
何故、先に退職は駄目なのか
「何故、転職活動は在職しながら行え」と言われるのでしょうか。
僕は2つの理由があると考えていて、それは「ブランク期間を作らないため」と「妥協しないため」です。
ブランク期間を作らないため
企業はブランク期間を持った人を嫌います。このブランク期間とは、どこの企業や団体にも所属していない無職の期間です。
マイナス要因は「転職先を決めずに前職を先に辞めてしまった」という事実を作ったことです。
転職したい!という思いは分かりますが、先に仕事を辞めてしまう人は「嫌になったらすぐに仕事を辞めることができる人」、つまり「責任感がなく、仕事を途中で投げ出す可能性が高い人」と思われてしまい、評価を下げてしまいます。
ひょっとすると正当な理由があったのかもしれませんが、転職活動の早期段階である書類選考ではあまり理由を重視しません。履歴書や職務経歴書に書かれた内容だけを見て判断されます。
妥協しないため
2つ目は、「転職先選びに妥協してしまう」可能性がということです。
退職してから転職活動をすると、確かにゆとりのある時間は確保できます。しかし、転職活動がうまくいく保証は最初からどこにもありません。予想していた以上に苦戦を強いられてしまうかもしれません。
当然、日々の生活がありますから「早く就職しないといけない!」と焦ってしまって、とりあえず内定を貰えた企業に入社を決めてしまうことが考えられます。
また、先に退職をしてしまうと条件交渉もうまくいかないことが多いです。つまり、企業からは足元を見られてしまい「条件が悪くても来るだろう」と不利な状況を作ってしまいます。
絶対に避けるべきなのは、転職先の企業を妥協して決めたがために、入社後に後悔をしてしまい結局、退職してしまうことです。
「ブランク期間」があるよりも「転職回数が多いこと」が転職では最も不利になります。
激務でも在職しながら転職活動を行うには
激務で十分な時間を作れなくても、基本は在職しながら転職活動を行い、転職先を決めてから退職するという流れを守るようにします。
その方が気持ちにも余裕が持てますし、大変な思いもするとは思いますが、結果的に良い転職活動が出来ると思います。
それでは、激務な人手も実践できる効率がいい転職活動とはどうするのでしょうか。
ポイントは自分自身が忙しくてできないことは人の手を借りて行おうということです。
しかし、全てを人にお願いする訳ではなく、もちろん自分の人生なのですから次の転職先に求める条件やこれまでの職務経歴は見える形にしなければなりません。
1:優先順位を絞る
- 体が壊れてしまう前に激務から解放されたい
- 激務なのに給料が見合っていない
- 休日も出勤や出張になることが多くプライベートの時間が確保できない
面接対策ではないので、転職理由は本音で考えます。別に、激務を理由にしなくても、Uターンがしたい(地元に戻りたい)、やりたかった仕事を挑戦したい、など何でも構いません。
転職理由を明らかにしたならば、次は転職先に求める優先順位を絞っていきます。
転職先で何を求めるのかは人それぞれ違うはずなので何でも構いません。
仕事内容でも、やりがいでも、キャリアアップでも、ワークライフバランスでも、年収でも構わないので、ここでは妥協をなるべくしないことです。
2:志望業界や志望企業を考える
次の転職先に求める優先順位が決まれば、志望業界や志望企業を絞っていきます。
自分が転職したい業界や企業があれば、求人情報がないかリサーチしてみます。転職サイトなどを包括的に検索できる「インディード」を使うと便利です。
実際に応募するか、しないかはともかく、この段階ではイメージを掴むことが大切です。
なかには転職活動自体初めての人もいると思いますから、企業が出している求人を見て、どのような企業がどのような経験を求めているのか、自分自身の経験が活かせそうな企業はあるかイメージを深めていきましょう。
3:職務経歴書を書き上げる
そして、いよいよ応募書類を作成していきます。企業へ応募するためには職務経歴書は必須です。
土日や平日の空いた時間(移動時間や通勤時間など、業務に支障がない時間)を活用して、職務経歴書を書き上げるために必要な自己分析を行います。最初は難しいことは考えずに、これまでの経験を振り返り、時系列で整理していき、箇条書きでまとめてみましょう。
最初から完成度の高い職務経歴書を作ろうと思うのではなく、まずは人に見せることが出来る最低ランクの職務経歴書があれば十分です。
この時、自分の強みやPRしたいことが読み手に伝わるように書くことがコツです。
また、職務経歴書には志望動機も書くことがありますが、応募する企業も決まっていないこの段階では不要です。
4:転職エージェントの協力を受ける
説明も不要だとは思いますが、転職エージェントは人材紹介会社が提供している転職したい人向けの企業とのマッチングサービスです。
キャリアや仕事における自分自身の希望を伝えておくだけで自分に代わって人材紹介会社のコンサルタントやアドバイザーが応募可能な企業の求人を探してくれるだけでなく、面接日程の調整など面倒な時間のかかる企業との交渉まで引き受けてくれます。
激務で転職活動をする時間が十分に持てない人にとって転職エージェントは役に立つと思います。
転職エージェントを上手に活用していけば、忙しい中でも在職しながらの転職活動は可能です。そのためには、自分自身のこれまでのキャリアをよく知ってもらう必要があり、ここで最初に書き上げた職務経歴書が効果を発揮するのです。
どの転職エージェントを使うにしても、登録をすれば最初にコンサルタントとの面談もしくは電話面談があるので、その場に職務経歴書があると話がより早く進みます。
また、転職エージェントは転職におけるプロなので職務経歴書の添削を受けることもできます。
最大の問題は面接の日程調整
最後に激務の人が転職活動で最も心配されることは面接の日程調整ではないかと思います。
実際、転職活動での面接というのは平日に行われるのが普通で、土日に面接をしてくれる企業はほとんどありません。
平日に休暇を取ることが難しい場合、困ってしまいます。
応募先の企業の所在地と自分自身の居住地との距離にもよりますが、物理的に離れているならば1日休暇もしくは半日休暇は転職するためには絶対に必要です。この場合、面接の数も多く入れることができないと思います。
応募する時から転職エージェントのコンサルタントとも相談しながら応募する企業を絞り込んでいきましょう。そして、可能な限り、同日に複数社の面接を入れてもらうようにします。
また、東京近郊に勤めている人は平日の仕事終わりの遅い時間(例えば、19時開始など)から面接を設定してくれるケースもあります。仕事帰りに面接が受けられるのであれば可能性も広がっていきます。
置かれている事情を理解してもらえたならば、あとは転職エージェントのコンサルタントが企業側と交渉してくれるので、気軽に困ったことや心配なことは伝えるようにしましょう。
面接の日程調整は書類選考の評価とも関連します。
書類選考で「是非、お会いしたい!」と先方が切望してくれているようならば、イレギュラーの曜日、時間での面接開催もあり得ます。
最後に
いかがでしたか。
激務で忙しいからと転職そのものを諦めてしまう必要はありません。
確かに転職活動に十分な時間を割けないことで不安になる気持ちも分からなくもないですが、そうした激務な条件でも仕事をこなせているということは企業に対するアピールになっていたりもします。
まるで仕事から逃げるかのように先に退職をしてしまうよりも、大変ですが在職しながら転職活動を行う方が結果も付いてくると思います。
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