ごん(@career_gon)です。
製薬メーカーの特徴については過去の記事でまとめていますが、私が感じたそのうちの1つが年収が高いことでした。
実際、私の場合は年収が上がりました。前職と比べて、転職初年度で100万以上のアップで、転職から丸2年が経過しましたが今は300万円以上のアップになっています。
今回は、実際にバイオ・医薬品業界に属する各企業の年収がどのくらいなのか、日本国内全体や上場企業全体の平均年収と比べてどのくらい高いのか、客観的なデータを持ってお示ししたいと思います。
目次
製薬メーカーの年収
各企業の年収は、上場企業であれば有価証券報告書で【従業員数】、【平均年齢】、【平均勤続年数】、【平均年間給与】が報告されていますので、気になるメーカーがあれば調べてみてもらえればと思います。
大手新薬メーカーでは?
国内の大手新薬メーカーと呼ばれる製薬メーカ-のうち、従業員数ランキングでトップ5に入る各メーカーの年収を調べてみました。
企業名 | 従業員数 | 平均年齢 | 平均年間給与 |
第一三共 | 5703人 | 44.4歳 | 11168千円 |
武田薬品工業 | 4966人 | 42.0歳 | 10766千円 |
中外製薬 | 4848人 | 43歳1ヵ月 | 10173千円 |
アステラス製薬 | 4647人 | 43.0歳 | 10514千円 |
協和キリン | 3776人 | 42.6歳 | 8778千円 |
従業員数や平均年齢、平均年間給与はグループ全体ではなく、単体の実績となります。
今回、平均勤続年数は省略し、平均年間給与の千円未満は切り捨てました。
5位の協和キリンでも878万円で高い部類に入りますが、4位以上のメーカーでは1000万円を超えました。
大手新薬メーカーは高年収であることが分かりました。
ジェネリック医薬品メーカーでは?
ジェネリック医薬品(後発医薬品)メーカーで大手といえば、沢井製薬、日医工、東和薬品ではないでしょうか。いずれも上場企業なので3社の年収を先ほど同様に調べてみました。
企業名 | 従業員数 | 平均年齢 | 平均年間給与 |
沢井製薬 | 2414人 | 38.6歳 | 6061千円 |
日医工 | 1182人 | 40.4歳 | 7105千円 |
東和薬品 | 2408人 | 36.6歳 | 6490千円 |
ジャネリック医薬品は特許切れの新薬のことです。
製品の利益率という点からも新薬メーカーよりも低く、ジェネリック医薬品メーカーの年収はそれほど高くないことが分かりました。
その他のメーカーでは?
紹介できなかった他のメーカーについては、業界動向というサイトで知ることが出来ます。
このサイトはとても優れていて、年収だけでなく、売上、経常利益、純利益、利益率など、様々な切り口で製薬業界に属する企業の比較が出来ます。
上記では、医薬品業界は裾野が広く、新薬メーカーやジェネリック医薬品メーカーは紹介できなかった企業も多いですし、他にも市販用医薬品メーカー、バイオベンチャーがあります。
気になるメーカーの財務状況も確認することが出来るので、時間があるときに眺めるだけでも企業研究になるのでおすすめです。
製薬業界の平均年収はいくらか?実際に高いのか?
製薬業界の平均年収と比較する対象として、上場企業全体の平均年収と日本の企業全体の平均年収について調べましたので、参考にしてください。
上場企業全体の平均年収
まずは上場企業全体の平均年収を確認してみましょう。
東京商工リサーチのサイトによると、上場企業2,459社の「平均年間給与(2020年度決算)」は603万2,000円という結果でした。
日本の企業全体の平均年収
次に、日本の企業全体の平均年収を確認してみましょう。
国税局によると、企業全体の「平均年収(令和元年分、正社員のみ)」は503万円という結果でした。
製薬業界全体の平均年収
製薬業界に属する企業の平均年収は、上記で紹介した業界動向のサイトで見ると、778万円と紹介されています。
上場企業平均や企業全体の平均と比べても、製薬業界の平均年収は高い部類に入るということが分かりました。
ただし、この年収というのは上記で紹介した平均年収が1000万円を超える製薬メーカーの存在を加味すると、平均年収としては低い印象があります。
売上が小さいバイオベンチャーや、新薬ではなくジェネリック医薬品メーカーなどの年収も含めて算出された数値となっており、これらのメーカーが平均年収を下げている要因だろうと思われました。
最後に
いかがでしたか。
製薬業界が置かれている状況について言えば、国の医療費抑制策として行われる薬価引き下げの影響で新薬を継続的に生み出していかなければジリ貧状態が続き、いずれ収益を圧迫します。
一方で、頼みの新薬開発の難易度が年々高くなっており、研究開発コストをかけたからといっても成功する保証はどこにもありません。
国内の製薬メーカーは大手と言えども、海外のメガファーマと比べると売上規模の差は歴然で、開発力でも後塵を拝んでいるような状況です。
製薬業界は不況に強いのですが、そもそも上記のような業界構造ですから今後は決して安泰とは言えないです。今後は淘汰されていく企業も出てきておかしくありません。
現在の高年収に一喜一憂するのではなく、製薬企業への就職や転職を考えるのであれば、なおさら財務状況や将来性を加味して検討すべきだと思います。
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